普段、何気なく洗濯している綿素材。上手に洗濯して生地を長持ちさせたいという方も多いのではないでしょうか。生地が縮まず、シワになりにくい洗濯にはどんな方法があるのでしょうか。そこで今回は、知っておくと便利な綿の性質や正しい洗い方のポイントについて解説します。
目次
①綿の洗濯は意外と難しい?縮みとシワができやすい理由
綿はシャツやパジャマ、肌着などに適した吸水性のある素材です。繰り返しの洗濯にも耐えうる丈夫な生地として知られています。一方で、洗濯の際の縮みやシワができやすいことがデメリットとして挙げられます。これには素材の特徴が大きく関係しています。
綿素材が縮みやすい理由
綿生地は綿繊維を機械で伸ばし、こより状に繊維束を作って糸に仕上げます。この綿糸を織ものや編み物にして、1枚の生地が完成します。綿は中空繊維なため水分を含みやすく、生地が乾く過程で縮みが生じるのが特徴です。また生地生成の際に、ループ状に織り上げられたニット生地は、伸縮性に富んで着やすい反面、洗濯と乾燥で網目が詰まり、縮みの原因となります。
綿素材にシワができやすい理由
綿素材には空洞があり、保水力があるのが大きな特徴です。そのため、洗濯の揉みや絞りで強い力が加わると、生地そのものの形状が変わりやすくなります。形が変わったまま乾燥させると、衣類にはシワとなって残ってしまうのです。
②洗濯する前にチェックすべきポイント
前述した綿素材の特徴を踏まえ、洗濯の際の縮みやしわを軽減するための方法を見ていきましょう。正しい洗濯方法の実践のために、押さえておきたいポイントを解説します。
洗濯絵表示の確認
衣類には、「洗濯表示」と呼ばれるタグがついています。洗濯絵表示で、衣類を洗濯機、手洗い、ドライクリーニングで洗濯するか、洗濯に適切な水温、アイロンが使用できるかなどを確認できます。綿生地でも染色加工や糊付けなど特殊な加工の施された生地は、家庭で洗濯できないこともあります。
素材タグの確認
洗濯の際に目安になるのが、生地の素材表示です。綿といっても綿100%か、混紡素材であるかによって洗濯方法が異なります。綿100%の衣類は素材の性質が強く出るので、より縮みやすい傾向にあり、ポリエステルなどとの混紡は伸縮性が高く、縮みに強い性質が特徴です。
洗剤と柔軟剤
洗剤は、おしゃれ着洗剤と言われる中性洗剤を使うのがおすすめです。一般的な弱アルカリ性の洗剤と比べ、洗浄力はやや落ちる傾向がありますが、衣類にかかる負担を軽減できます。そのため、型崩れやシワを防ぐ効果が得られ、衣類の手触りも柔らかになります。また、衛生的に衣類を保つことができる消臭や抗菌効果のある柔軟剤もおすすめです。
洗濯水の温度
綿は熱で伸びやすい特徴があるため、使用するお水の温度は30度以下が適切でしょう。洗濯にお風呂の残り湯を使う場合は冷めているか確認し、入浴剤などが混ざっていのないものを使用します。衛生面を考慮すると、残り湯は「洗い」段階のみの使用がおすすめです。
初めて洗う服
一度も洗濯していない生地は、繊維に空洞があり水分の吸収力が高い状態です。そのため初めて洗う服は、特に縮みやすいといえます。1時間ほど水に浸し、乾燥させる「水通し」をするとよいでしょう。水通しには、洗濯の際の縮みを抑える効果があります。
③洗濯機を使うときの手順とポイント
【用意するもの】
・中性洗剤またはおしゃれ着洗剤
・柔軟剤
・洗濯ネット
1.洗濯ネットに服をたたんで入れ、洗濯機に入れる。
2.洗剤と柔軟剤をセットする。
3.「ドライコース」や「手洗いコース」を選んで洗濯する。
汚れた部分を外側にたたんで洗うと汚れが落ちやすくなります。綿は色落ち、色移りのしやすい素材なので、色物と白いものは分けて洗濯しましょう。また、搾りすぎによるシワを防ぐため、脱水時間を手動で設定する場合は30秒~1分にすると効果的です。
・中性洗剤またはおしゃれ着洗剤
・柔軟剤
・洗濯ネット
1.洗濯ネットに服をたたんで入れ、洗濯機に入れる。
2.洗剤と柔軟剤をセットする。
3.「ドライコース」や「手洗いコース」を選んで洗濯する。
汚れた部分を外側にたたんで洗うと汚れが落ちやすくなります。綿は色落ち、色移りのしやすい素材なので、色物と白いものは分けて洗濯しましょう。また、搾りすぎによるシワを防ぐため、脱水時間を手動で設定する場合は30秒~1分にすると効果的です。
④手洗いの手順とポイント
【用意するもの】
・洗濯桶(洗面器)
・中性洗剤
・柔軟剤
・洗濯ネット
1.洗濯桶や洗面器に水と、水量にあった洗剤を入れて洗浄液を作る。
2.たたんだ服を洗浄液につけ、やさしく押したあと手を離し浮かし、この動作を20回ほど繰返す。
3.水ですすぐ。
4.柔軟剤を溶いた水に2~3分浸け置いたあと、洗濯機で30秒~1分脱水する。
綿素材は形が変わりやすいため、水の中で擦ったり揉んだりしないよう注意します。すすぎの際も押す、浮かす動作を繰り返し、搾らずに泡がでなくなるまで2~3回水を変えましょう。脱水のときは洗濯ネットを使用し、洗濯機の脱水で生地にかかる負担を軽減すると効果的です。
・洗濯桶(洗面器)
・中性洗剤
・柔軟剤
・洗濯ネット
1.洗濯桶や洗面器に水と、水量にあった洗剤を入れて洗浄液を作る。
2.たたんだ服を洗浄液につけ、やさしく押したあと手を離し浮かし、この動作を20回ほど繰返す。
3.水ですすぐ。
4.柔軟剤を溶いた水に2~3分浸け置いたあと、洗濯機で30秒~1分脱水する。
綿素材は形が変わりやすいため、水の中で擦ったり揉んだりしないよう注意します。すすぎの際も押す、浮かす動作を繰り返し、搾らずに泡がでなくなるまで2~3回水を変えましょう。脱水のときは洗濯ネットを使用し、洗濯機の脱水で生地にかかる負担を軽減すると効果的です。
⑤綿のアフターケアのポイント
綿には繊維の性質上、縮みやシワになりやすいという特性があります。綿の衣類を長く愛用するためには、アフターケアにも気を配ってみましょう。詳しいアフターケアのポイントについて解説していきます。
縮みにくい・シワになりにくい干し方
綿を洗うときのコツが分かったら、干し方にも工夫を加えることで、縮みとシワをさらに軽減できます。
脱水の後は、放置せずすぐに干しましょう。その際、上から下に強くふってから干すとシワ防止になります。ニット系のTシャツは伸びやすいため、ハンガーを使わず、もの干しに直接干しましょう。
同様にニット織りの綿衣類は型崩れしやすく、平干しハンガーの使用がおすすめです。襟袖のあるワイシャツは、ある程度湿った状態でアイロンがけをしておくとシワがよく伸びます。ズボンなど長さのあるものは、重い方を下に向けて干すのがよいでしょう。
また、綿は太陽光で変色しやすい特性があるため、退色の可能性がある衣類は陰干しがおすすめです。
脱水の後は、放置せずすぐに干しましょう。その際、上から下に強くふってから干すとシワ防止になります。ニット系のTシャツは伸びやすいため、ハンガーを使わず、もの干しに直接干しましょう。
同様にニット織りの綿衣類は型崩れしやすく、平干しハンガーの使用がおすすめです。襟袖のあるワイシャツは、ある程度湿った状態でアイロンがけをしておくとシワがよく伸びます。ズボンなど長さのあるものは、重い方を下に向けて干すのがよいでしょう。
また、綿は太陽光で変色しやすい特性があるため、退色の可能性がある衣類は陰干しがおすすめです。
アイロンの際のポイント
綿衣料は洗濯表示を確認して、アイロンできる素材かどうかを確認しましょう。アイロンを使用する場合は適温を守り、力を入れずに優しく滑らすのがコツです。
シワが顕著な部分には、霧吹きを使用し、綿繊維に水分を与えながらアイロンをかけると型を整えやすくなります。アイロンが終わったら熱気を冷まし、新たにシワを作らないようすぐにハンガー掛けをしましょう。
シワが顕著な部分には、霧吹きを使用し、綿繊維に水分を与えながらアイロンをかけると型を整えやすくなります。アイロンが終わったら熱気を冷まし、新たにシワを作らないようすぐにハンガー掛けをしましょう。
保管の際の注意点
綿素材のケアでは、保管中にしわをつくらないため、ゆとりのあるスペースにしまうのがよいでしょう。畳みジワを避けるため、可能であればハンガーにかけるのがおすすめです。また、アイロンをかけたあとは熱が冷めてから畳みましょう。
乾燥機は使用していい?
洗濯した綿衣類は、乾燥機は使わない方がよいでしょう。綿は熱がかかると伸びる性質があります。乾燥器の使用は、カラッと仕上げたいタオルやシーツなどだけにとどめておくことをおすすめします。
⑥綿の縮みやシワは軽減できる!ポイントを押さえたケアが大事
綿は肌に優しく、吸湿性にも優れた素材で着心地がよいというメリットがあります。一方で、シワになりやすく縮みが生じやすい点がデメリットとして挙げられます。
ちょっとした洗濯の際のポイントを押さえることで、縮みやシワを軽減し、長持ちさせることができます。洗濯後のアフターケアにも注意して、お気に入りの綿アイテムを楽しみましょう!
ちょっとした洗濯の際のポイントを押さえることで、縮みやシワを軽減し、長持ちさせることができます。洗濯後のアフターケアにも注意して、お気に入りの綿アイテムを楽しみましょう!